英国ロイヤル・スタイル 特別講習会レポート 2012年2月18日(土)、19日(日) 新宿村スタジオ
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イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール他のオーディションも兼ねた講習会が行われました。 前回の来日公演「リーズの結婚」主演で好評を博したラウラ・モレーラさん、リカルド・セルヴェラさん、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールのナタリア・バーバラ先生が講師を務め、当スタジオの佐々木もバレエ・ピラティスを担当しました。バレエ教師でピラティス・インストラクターでもある星川先生にお手伝い頂き、講師二人でのレッスンでした。 |
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昨年夏の講習会で、ラウラさんから「日本の生徒さん達が、股関節から脚を開けるようにして!」 と熱いリクエストを頂いていたので、今回はアン・ドゥオールをテーマにバレエ・ピラティスを行いました。 アン・ドゥオールのしくみを理解して頂くために、初日はなんと解剖学からスタートし、二日目にエクササイズという構成にしました。 初日、エクササイズをするつもりでスタジオにやって来た生徒さん達は、ずらりと並んだ椅子を見て戸惑ったようでした。 グループレッスンではなかなかわかりにくい、インナーマッスルである骨盤底筋を使った状態を、実際にインストラクターの体を触って頂く事で理解を深めて頂きました。 |
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また、脚にテープを張った実験で、土ふまずが落ちた状態では股関節が開きにくい事と、正しい脚の状態では甲が出しやすく、内ももや足裏の筋肉も使いやすい事を体験して頂きました。 参加者のほとんどが脚が捻れた状態でしたので、改善のためのストレッチなどもご紹介しました。 二日目は、参加者の皆さんの体の癖を、さらにレッスンに生かしたいと思い、ピラティスの前にオーディションを兼ねたバレエクラスをを見学させて頂きました。 オーディションとあって生徒さんは真剣そのもの。緊迫したムードが漂っていましたが、ラウラさんの明るく、生徒さんの可能性やパワーを引き出すレッスン、リカルドさんのとてもロイヤルらしくエポールマンの美しいお手本と熱心な指導、ナターリアさんの優雅で的確なアドバイスに大変感銘を受けました。 中でも、ラウラさんがピルエットの顔のつけ方を説明をしながら、プレパレーションなしで5〜6回転したときには、生徒さんからわーっと歓声が!ラウラさんの舞台が見たいな〜と思わせるひとコマでした。 レッスン中、気になったのが、すべての先生が「お尻を出さないで!」「腹筋を使って」と何度も注意なさっていた事です。 実は、つま先だけが外を向いて脚をねじった状態では、正しい位置に重心を保てないので、どうしてもお尻が後ろに突き出てしまうんです! そして、後ろに飛び出たお尻とバランスをとるために、上体がそっくり返ってお腹が伸びてしまい、腹筋を使いたくても使いにくい状態になってしまいます。やはりのピラティスのクラスは脚をねじらずに使う事、アン・ドゥオールに必要な筋肉の強化をメインで行くのが良いとな確信しました。 |
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また、印象に残ったのが、ナタリア先生が、フェッテのときに「アラベスクの脚を後ろに」と何度も何度も注意なさっていた事です。 生徒さん達は、その場で直すのに苦戦していたのですが、これもアラベスクの脚と反対側のウエストの筋肉を使えば出来るので、ピラティスのレッスンに取り入れる事にしました。 アラベスクの時に使うべき筋群と、筋肉の使用の順番を解剖学的に(ちょっとマニアックに?)説明させて頂きましたが、ついさっき沢山注意されたポイントでしたので、生徒さん達はとても熱心に聞いて下さったようです。 初めは「解剖学なんて、つまらないって思われちゃうかな」と心配だったのですが、レッスン終了後、何人もの生徒さんから「自分の体の使い方が間違ってるとわかって良かった」「正しいポジションにしたら内ももが使えた」とお声をかけて頂いて嬉しかったです!(解剖学をお勉強済みの生徒さんがいらしたらごめんなさいね!) 参加された生徒さん達が、正しい体の使い方によって、更に上達される事を心より願っています。満員御礼で、沢山のご参加を頂き、本当にありがとうございました。(佐々木 談) |